ゆうふの研究室
ゲーム開発更新日 2026.10.15

6属性のスライムと継承スキルを設計した記録

おはじきバトル(仮)に登場する火・水・風・雷・岩・闇のスライムについて、見た目と属性だけでなく、スライムらしさを生かした継承スキルを設計した過程をまとめます。

Unityで制作しているスマートフォン向けゲーム「おはじきバトル(仮)」に、火・水・風・雷・岩・闇の6属性を持つスライムを追加しました。

スライムは序盤から登場する雑魚敵ですが、倒すだけの敵ではなく、仲間にした後も育成や編成を楽しめるキャラクターにしたいと考えています。

そこで今回は、各スライムの見た目だけでなく、仲間になった後に使用できる「継承スキル」についても設計しました。

この記事では、単純なステータス上昇を避け、スライムらしい挙動をスキルへ落とし込むまでの考え方を記録します。

継承スキルとは

おはじきバトル(仮)では、キャラクターを育成すると、別のキャラクターが持つスキルを装備できる仕組みを検討しています。

これを継承スキルと呼んでいます。

スライムは敵として登場した後、条件を満たすことで仲間になり、所持しているスキルをほかのキャラクターへ継承できる想定です。

継承スキルがあることで、序盤のキャラクターも単なる素材や図鑑要員ではなく、編成を考えるうえで意味のある存在になります。

最初に考えた案

最初は、属性ごとに次のようなシンプルな効果を考えていました。

  • 火属性は攻撃力を上げる
  • 水属性は防御力を上げる
  • 風属性は移動距離を伸ばす
  • 雷属性は最初の攻撃を強化する
  • 岩属性はHPや防御力を上げる
  • 闇属性は追加ダメージを与える

効果が分かりやすく、初期キャラクターのスキルとしては扱いやすい案です。

しかし、このままでは「火だから攻撃」「水や岩だから防御」という一般的な属性の印象だけで決まってしまいます。

また、数値の高い上位スキルを追加したときに、序盤のスライムを使う理由がなくなりやすい問題もあります。

そこで、属性だけではなく、次のようなスライム特有の性質を基準に考え直しました。

  • 体が柔らかい
  • 攻撃を受けると変形する
  • 弾む
  • 体内に熱や電気をためる
  • 相手へまとわりつく
  • 触れたものを取り込む

火属性スライム:ねばつく火種

効果

最初に接触した敵へ火種を付着させ、次の敵行動終了時に小ダメージを与えます。

設計した理由

火属性らしい継続ダメージに、スライムの「相手へまとわりつく」性質を組み合わせました。

接触した瞬間にすべてのダメージを与えるのではなく、火種が残り、少し遅れて燃える効果です。

敵へ何度も接触する必要がないため、移動距離の短いキャラクターにも装備しやすくなります。

一方で、敵をすぐに倒した場合や、付着後に戦闘が終了した場合には効果を十分に発揮できません。

どの敵へ最初に接触するかを考える余地があるスキルにしています。

火属性スライム

水属性スライム:ぷるぷるクッション

効果

各Waveで最初に受ける接触ダメージを軽減します。

設計した理由

水属性を単純な防御力上昇にせず、柔らかい体で衝撃を吸収するスライムらしい効果にしました。

常時ダメージを減らすのではなく、各Waveで最初の1回だけ発動します。

そのため、長期戦で常に有利になる効果ではありませんが、Wave開始直後の大きな攻撃を受ける場面では役立ちます。

発動回数が限られていることで、序盤で入手できる防御系スキルとして強くなりすぎないようにしています。

水属性スライム

風属性スライム:ぷにっと反発

効果

壁で最初に反射したとき、少し加速します。発動は1行動につき1回です。

設計した理由

風属性の移動性能と、スライムが壁へぶつかったときに弾む動きを組み合わせました。

単純に移動距離を増やす効果ではなく、壁を利用した場合にだけ恩恵を受けられます。

そのため、何も考えずに装備しても常に強いスキルではありません。

壁反射を利用して敵へ再接触したり、離れた場所まで移動したりする操作と相性がよく、プレイヤーの狙い方によって効果が変わります。

おはじき操作そのものを楽しめるスキルとして設計しました。

風属性スライム

雷属性スライム:放電ゼリー

効果

接触攻撃を受けると、攻撃してきた敵へ小ダメージを返します。発動は敵の1行動につき1回です。

設計した理由

雷属性には素早さや先制攻撃を持たせる案もありましたが、それだけではスライムらしさが弱くなります。

そこで、体内に電気をためたゼリー状のスライムへ触れると放電する、という効果にしました。

敵から接触されなければ発動しないため、攻撃だけを重視する編成では使いにくいスキルです。

一方で、敵から狙われやすいキャラクターや、接近戦を行う敵が多いクエストでは効果を発揮します。

敵1行動につき1回という制限を付け、同じ敵が短時間に何度も接触した場合のダメージ増加を抑えています。

雷属性スライム

岩属性スライム:ぷにぷに装甲

効果

同じ敵の1行動中、2回目以降に受ける接触ダメージを軽減します。敵の行動終了時に効果回数をリセットします。

現時点では、スキルレベル1で10%、最大レベルで30%程度の軽減率を仮設定しています。

設計した理由

最初は、重さを利用して吹き飛ばされにくくする案も考えました。

しかし、おはじきバトル(仮)の戦闘では、吹き飛ばされないことが必ずしも明確なメリットになるとは限りませんでした。

そこで、岩の硬さだけではなく、スライムの弾力も感じられる「ぷにぷに装甲」に変更しました。

1回目の攻撃はそのまま受けますが、同じ行動中に連続して接触された場合は、体が衝撃を吸収して2回目以降のダメージを軽減します。

通常の一撃には強くありませんが、敵が何度も跳ね返りながら接触する攻撃への対策になります。

特定の攻撃に対して明確な役割を持たせることで、単純な防御力上昇との差別化を図りました。

岩属性スライム

闇属性スライム:取り込み

効果

自分の行動中に敵を倒すと、自分のHPを少し回復します。発動は1行動につき1回です。

設計した理由

闇属性には、敵からHPを奪う吸収効果が合います。

ただし、敵へ接触するだけで毎回回復すると、同じ行動中に何度も接触できるキャラクターで強くなりすぎる可能性があります。

そこで、敵を倒したときに取り込む効果へ変更しました。

回復するためには敵へダメージを与えるだけでなく、最後の一撃を取る必要があります。

残りHPの少ない敵を狙う判断が生まれ、攻撃と回復を同時に行える一方、ボスが1体だけ登場する場面では発動しにくくなります。

1行動につき1回に制限することで、複数の弱い敵をまとめて倒した場合の過剰な回復も防ぎます。

闇属性スライム

6種類の役割を整理する

完成した継承スキルを役割別に整理すると、次のようになります。

属性スキル主な役割発動条件
火ねばつく火種遅れて追加ダメージ最初に敵へ接触する
水ぷるぷるクッションWave序盤の防御各Waveで最初の接触ダメージを受ける
風ぷにっと反発壁反射後の移動補助壁で最初に反射する
雷放電ゼリー接触攻撃への反撃敵から接触攻撃を受ける
岩ぷにぷに装甲連続接触への防御同じ敵から2回以上接触される
闇取り込み撃破時の回復自分の行動中に敵を倒す

火と闇は攻撃をきっかけに発動し、水・雷・岩は敵から攻撃を受けたときに役立ちます。

風は壁を利用することで発動するため、ほかの5属性とは違い、プレイヤーの操作が直接効果につながります。

属性ごとに発動条件を変えることで、数値だけではなく、使い方にも違いを持たせました。

序盤のスキルでも使い道を残す

スライムは序盤に登場するキャラクターを想定しています。

序盤のスキルを強くしすぎると、その後に入手するキャラクターの価値が下がります。

反対に、単純な低倍率のステータス上昇だけにすると、より高倍率のスキルを入手した時点で使われなくなります。

今回は、発動条件が限定される代わりに、条件が合う場面では役立つ設計にしました。

たとえば、連続接触を行う敵が登場するクエストでは「ぷにぷに装甲」、敵が多いクエストでは「取り込み」、壁反射を利用しやすいステージでは「ぷにっと反発」というように、クエストによって装備を変更できます。

序盤で手に入れたスキルが、終盤でも特定の場面で候補に入る状態を目標にしています。

今後確認したいこと

スキルの効果内容は決まりましたが、ダメージ量や軽減率、回復量などの数値は、実際の戦闘を通して調整する必要があります。

今後は次の点を確認します。

  • 火種が発動するまでの時間が長すぎないか
  • 水の軽減効果が各Wave1回で十分か
  • 風の加速量によって操作が難しくならないか
  • 雷の反射ダメージが敵の連続攻撃に対して強すぎないか
  • 岩の軽減率と発動回数が適切か
  • 闇の回復量が連戦で強くなりすぎないか
  • 継承先のキャラクターによって想定外の組み合わせが生まれないか

数値だけを見て決めず、敵の行動やステージ構造との組み合わせも含めて確認する予定です。

まとめ

6属性のスライムには、属性の印象だけでなく、柔らかい、弾む、まとわりつく、取り込むといったスライムらしい特徴を持たせました。

今回決めた継承スキルは次の6種類です。

  • 火:ねばつく火種
  • 水:ぷるぷるクッション
  • 風:ぷにっと反発
  • 雷:放電ゼリー
  • 岩:ぷにぷに装甲
  • 闇:取り込み

単純なステータス上昇から、発動条件と使い方に特徴があるスキルへ変更したことで、それぞれのスライムを仲間にする意味も分かりやすくなりました。

今後は実際の戦闘へ組み込み、効果量や発動回数を調整しながら、序盤から終盤まで使い道のある継承スキルを目指します。